“自分の人生、なぜこんなにもつらいのか”──
そんな問いのヒントが、“前世療法”の中にあった。
※今回紹介するエピソードは、こちらの本で読んだ中で印象的だった部分です↓
退行催眠で自分の前世をみた人たちによる証言から、実際に「人は生まれてくる前に役割を決めてくる」という事実が浮かんでくる。
以前読んだ退行催眠の本に、興味深いエピソードがあった。
それは、魂と魂が交わした、静かで深い“約束”の話だった。
前世療法のエピソード紹介
ある女性はずっと母親に虐待されて育った。それはもうひどい虐待。
冬の寒い日に外に出され一晩中放置されたり、押入れのなかに閉じこめられ、ずっと正座で反省させられたり。
「お前は出来損ないだ!お前なんて産まなければよかった!」
と四六時中暴言を吐かれたりと、それはもうひどいものだった。
当然、その女性は母親を憎むようになり、自分で生活できる年齢になると家を出て暮らし始めた。
月日が経ち、やがて女性は結婚し子どもができた。
だが、子どもが成長するにつれて自分も子どもを虐待するようになってしまった。
そして、子どもたちの怯える目をみて女性は、なんとかしなければいけない、と退行催眠を試してみることにした。
女性の過去生とはなんだったのか?
そして、その女性は自分の過去生をみることになる。
その女性は、過去生ではヨーロッパのほうのお金持ちの家の娘で、大きな屋敷に暮らしていた。
たくさんのメイドがいて身の回りの世話もなんでもしてもらっていて、女性はわがままで横柄な性格だった。
彼女はメイドにたいしてひどいことをたくさんして、何人ものメイドを殺してしまった。
やがて彼女の両親が亡くなり、残っていたメイドたちも愛想をつかして屋敷を出ていってしまった。
彼女は、これまでなんでも世話をしてもらってたわがまま放題のお嬢さんだったので、とても一人で生きていくことはできなかった。
一人で途方にくれていると、一人のメイドが彼女を気の毒に思い、戻ってきて彼女の世話をしてくれるようになった。
それからメイドと二人で静かに暮らすなかで年を重ね、彼女はかつての自分の過ちを反省し、後悔した。
そして亡くなるとき、「もうあんなひどいことはしないように、今度はちゃんと人の痛みがわかるようになりたい」
そう思った。
前世で交わした魂の約束とは?

そして、今生。
退行催眠で彼女は自分が過去生でしたことを思い出し、そして、「今度はちゃんと人の痛みがわかるようになりたい」と、強く願ったことを思い出した。
「人の痛みがわかるように、自分をたくさんいじめてね。こんなことを頼めるのはあなたしかいないのよ。お願いだから、ちゃんと私をいじめてね」
こんなお願いを、この女性の魂が、他の魂にお願いしていたのだ。
そのお願いした相手というのが、過去生で最後まで彼女の世話をしてくれたメイドさんの魂だった。
メイドさんは「あなたにそんなひどいことはしたくない」と一度は断ったが、彼女は自分の過去の過ちをひどく後悔していたし、どうしても人の痛みがわかるようになりたかった。
「だからお願い、あなたにしかこんなことは頼めないの」と頼まれ、メイドさんの魂は、彼女をいじめるという、”イヤな役”を引き受けた。
そして、そのメイドさんが、今生での彼女の母親だったのだ。
彼女の母親は、生まれる前の魂の約束どおりに彼女を虐待していじめた。
その事実を知ったとき、彼女は母親の愛を知った。
涙が止まらなかった。すぐに彼女は母親に会いに行き、感謝を伝えた。
魂の記憶をなくしている母親は最初戸惑っていたが、なにかを感じとり、彼女を受け入れ、それから二人の関係性は劇的に改善した。
「人の痛みがわかるようになりたい」という彼女の魂の学びが終わったのだ。
二人の魂の約束が、彼女の学びによって終わり、もう、母親が彼女をいじめる必要などなくなったのだ。
母親を許せるようになった彼女は、子どもたちに手をあげることはもう二度となくなった。
魂レベルでみたときに、すべては自分が望んだことだった
前世で、「人の痛みがわかるようになりたい」と願った彼女は、人の痛みがわかるように、今生では”自分がいじめられる”という経験をしたかった。
つまり、“彼女をいじめた人”は、彼女自身がそうするよう“お願いした人”だった。
彼女の魂が、人の痛みを知るために選んだ学びだったのだ。
この世界に悪なんて本当は存在していなくて、ただ、あなたと縁のある魂が、“愛ゆえに”悪役を演じてくれていただけだった。
この世界は、自分たちが思っているより、ずっと優しいのかもしれない。
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