山を舐めてた男と、人の暖かさを知った日

テント

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2017年7月15日 土曜日

85日目   キルギス アラカル湖トレッキング

朝目覚めると天気は晴れ。よっしゃ!

早くに起きるつもりだったけど、8時過ぎまで寝てしまった。

とりあえずコーヒーとパンで朝食。

あー、この大自然の中、こんな絶景みながら朝食なんて贅沢だなぁ。

ひんやりと空気は冷たいけど、太陽が出てるから暖かい。

荷物をまとめて出発すると、紅茶でも飲んで行け、と呼び止められたのでお言葉に甘えて頂いた。

パンとかクッキーとかもやたら出してくれたんだけど、朝ごはん食べたばっかだったし、早く出発したかったからコーヒーだけ頂いていこうとしたら50ソム請求される。金取んのかい!しかも高いし。

まぁ、飲んじゃったもんは仕方ないから払って出発。

ここから先は道とゆう道じゃないからルートが分かりづらい。

マップを確認しながら進んだ。

絶景の連続で、何回も休憩しながら行く。

だいぶ急な坂も増えてきてキツイ。

アルティンアラシャンから先は中々ハードなコースだ。

途中、欧米人グループと抜いたり抜かされたりで少し話す様になり、アラカル湖で会おうと言って彼らは先に行った。

だんだん左足の関節が痛くなってきて歩くだけでかなり痛い。これヤバイかも。。

それに加えて、道も悪く坂道だらけだから全然進まない。標高もあがってきたからか、少し歩いただけで息切れして、休憩しなければいけない感じだ。

今日は余裕でアラカル湖に着いて早めにキャンプするつもりだったけど、この調子じゃ今日中の到着も危うい。

でも食料の残りとかもあるからなんとか今日中にアラカル湖には着きたい。

気合いで足の痛みに耐えながら、息を切らして少しずつ進む。

何とか夕方くらいにやっとアラカル湖のあたりにきたけど、これ以上先に進む道がない。どうゆう事だ?てか雪あるし。

マップを確認するが、やっぱり崖の方に続いてるけど道もないし、雪と崖で遮られている。まさかあの崖を越えなきゃ行けないの?

周りを見て歩いても、他に道はなく、完全に行き止まりになってる。

はぁ、マジかよ。

あんな崖、荷物担いで登れないよ。いや、荷物なくても危なすぎる。滑り落ちたら崖下まで真っ逆さまだ。

それにあたりは雪が沢山あって、崖下まで行くだけでもサンダルの俺にはキツイ。

山なめてた。

とにかくもうアラカル湖は目の前なのに、諦められずサンダルで雪の中に入って行く。

もう冷たいとか通り越して痛い。

これはダメだ…

数分間も歩いたら凍傷しそうに冷たい。

すぐに引き返して足を温める。半端じゃなく冷たい。この辺りはだいぶ寒くて、回りの川なんかも少し手をつけただけで飛び上がるぐらいに冷たい。

何でサンダルで来たんだよ俺・・・

もう今日は無理だ。

そろそろ日も落ちるし、なにより本当にあの崖を登った先がアラカル湖なのかどうかも分からない。

苦労して登って道間違えましたじゃどうしようもない。

近くにテント張って、お酒飲みながら誰か通るのを待ってた。

しばらく経つと雪の中からこっちに歩いてくるカップルが見えた。

話しかけに行くと、やっぱりあの崖の上がアラカル湖らしい。

どんなルートだよ!

みんなあんなとこ登って行ってるの?

俺がサンダルしか持って来てないんだよ、これじゃとてもじゃないけど登れないよ、と言ったらオーマイガーって言ってた。

そりゃそうだよな。めっちゃ軽装の欧米人たちもみんな靴はちゃんとトレッキングシューズ履いてるし。

俺がバカだった。完全に山舐めてた。。

彼らには、

「とにかく今日はここで寝て、明日の朝にトライしてみるよ」

と言ってテントに戻ろうとすると呼び止められた。

何だ?と思って戻ると、何と彼が自分の履いてたトレッキングシューズをくれるとゆう。

いやいや、それはダメだよ!!と言っても、

「俺たちは後は戻るだけだから、でも君はこれからあの雪を越えてあの崖を登らなければ行けない。だからこれは君が使って」

うそだろ?どんだけ優しいんだよ。

そして、自分はサンダルに履き替えてトレッキングシューズを渡してくる。

ここはまだ山のてっぺんだ。これからまたあの険しい道を彼はサンダルで歩いて行く。2日はかかるだろう。

だけど彼は何の見返りも求めずに、今会ったばかりの俺に靴をくれた。それどころか俺の食料の心配とかまでしてくれる。

もう神様だよ。

メールアドレスを交換し、お礼を言って別れた。

絶対恩返ししないと。

2人が見えなくなるまで手を振った。

涙が出てきた。

会ったばかりの見ず知らずの外国人にそこまで出来るか?

普通そんな事出来ない。

まず、いきなり話しかけただけでも怪訝な顔されてもおかしくない。日本だったら何だコイツと思われて終わりだろう。

本当ありがとう。こんなカッコいい男になりたいと思った。

この夜、標高が4000メーター近くまで上がったからかなり寒い。

持ってる服も全部きて、寝袋に包まっても寒い。イモムシのように丸まって寒さをやりすごす。

夜に作ったインスタントラーメンが最高に美味くて、満天の星空が最高に綺麗だった。

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