2017年5月18日 木曜日
27日目 モンゴル カントリーサイド
朝起きてちゃちゃっと準備。
バイクの返却日である明日までにウランバートルとかもう無理ゲーだけど、俺も先を急がないと時間がない。
病院に向かうと、ちょうどエミルが出て来る所だった。
どうやら、ウランバートルの大きい病院に移るらしい。
この町では簡単な消毒とレントゲンだけみたいで、包帯もガーゼも何もされてなかった。
痛々しい姿で元気なく、かなりショックを受けてる様子だった。
それにしても患者が病院移るのに車も出してくれないのか。
バスとかタクシーとかを乗り継いで自力で向かわなければいけないそう。
ここでエミルともお別れかと思ってフェイスブックを交換した。
お前エミルって言うんだな。忘れててごめん。
名前ちゃんと覚えたよ、エミル。
「フィンランドに来たら連絡して」
と言って、ハグをして別れた。
バイクの移動とか、修理代とか、病院代とか、色々と大変だろうな。
てか俺もこの大自然の中で突然1人になってしまった…地図も見れないんですけど…
俺の方こそ生きてウランバートルに戻れるのか…?
正直不安で仕方ない。
オフロードだらけだし、ルートもこれまではエミルが確認しながら走り、俺は後ろについてただけだし。
町から出るだけでも方角がわからず時間がかかった。




最初のうちはまぁまぁいい道だったから良かったけど、だんだん険しくなってきた。
川なんてもう当たり前だし、凸凹道に、沼、砂道もかなり長い事あったりと、最悪の道だった。
砂にハンドルをとられて、何度もこけた。
やっぱり1人じゃ起こせないよ。
荷物を全部ほどいて、何とかバイクを起こす。
また荷物を積み直して出発。
川や沼の連続で、体もバイクももう泥だらけ。



それはもういい。ただ生きて帰りたいと、そればかり考えていた。
それにしても沼にハマんなくて良かったぁ。あそこでこけたら絶対、自分だけじゃどうしようもないしヤバかった。
全然人気もなくて、砂嵐にやられて下を向いてやり過ごしたり、天気も悪くて、雨にあったりもした。
過酷すぎるよ。
途中、町でガソリンを入れようとするが、ないと言う。
ガソリンスタンドがガソリンないって何だよ。
朝の町でも、停電かなんかで入れられなかったのにここでも入れられなかったら先に進めない。
他にはガソスタないかと探してたら、地元民が俺の方に来て、なぜか俺のバッグを持って追いかけて来た。
やべぇ。ヒモで縛るの忘れて置いていく所だった。貴重品が入ったバッグだしマジで危ない所だった。
ついでにガソリンについて聞いたら、やっぱりさっきのガソリンスタンドだけっぽい。
俺の代わりにバイクに乗って聞きに行ってくれてたけど、でもやっぱりガソリンはないらしい。
もうガソリンないんじゃどうしようもないよ。
ヘタヘタとその場に座り込んだ。



すると次々と人が来てモンゴル語で何か言ってくる。
分かんないつってんだろ、ほっといてくれ。腕掴んだりして来てうっとうしい。
しばらく座ってたら、俺と同じバイクに乗った人がきて違う種類のガソリンを入れていた。
え?それ、大丈夫なのか?壊れない?
迷ってる時間はない。
俺も違う種類のガソリンを少しだけ入れて、先に向かった。
よし、問題ないっぽい。
バヤンホンゴルまで行けば、そこからはビックロードがあるはずだから何とかそこを目指す。
モンゴルは道がわかりずらすぎる。
標識なんか勿論ないし、いくつもの道が分かれてるからすぐにルートから外れてしまう。
何回もマップを確認する為に止まらなければ行けない。
バヤンホンゴルの手前の町について、ガソリンスタンドを探すけどやっぱりないっぽい。
ちょっとヤバイな。
あと20キロくらいだけど、すでにレッドライン近くまできている。
外も暗くなり始める頃だ。
今日はこの近くでキャンプしよう。
道のそばでテントを張った。



ビールを飲んでパスタをつくる。
パスタは安いし、腹一杯食えるし、美味いしで最高。ただちょっと調理に時間がかかる。
はぁ、疲れた。
腹一杯になって寝袋にくるまったらすぐに眠りについた。


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